溶接をめっきでコストダウン
小物(異種金属)の溶接において、溶接しにくい部品を無電解ニッケルめっきを付け、炉でめっきを溶解させて行う溶接技術です。この方法を用いると大量に安定した溶接加工ができ、コスト削減に役立ちます。

一個一個ろう付けやスポット溶接をするのとは違い、量産物には大きなコスト削減メリットがあります。

さらに板物などは歪みが起きず、仕上がりがきれいという大きな特長を持ちます。板物の場合、スポット溶接だと歪みが発生します。板が薄ければ薄いほど歪みが起きます。原因は部分加熱になるから板が曲がってしまうわけですが、めっきだとこの歪みは起きません。

超硬ドリルの接合


1.超硬ドリルと六角軸を(写真は丸軸)接合できます。

軸にめっきを施し、超硬ドリルを接合して炉に入れると、下の写真のように完全に結合することができます。超硬と鉄など異種金属の結合が可能です。もちろん溶接で接合するよりコストは大幅に削減できます。

※ハイス(ハイスピードスティール)は570℃でなまってしまいますので、この方法は使えません。

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異種金属の接合


2.鉄板にステンレスのこまを接合する

(例:ステンレスと鉄)
鉄板に「こま」の直径の大きさの穴を抜いて「こま」に無電解ニッケルめっきを施して穴に差し込む。その後、炉に入れ無電解ニッケルを溶かし接合させた場合。

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板物同士の接合




3.板物の接合(溶接と違って歪みがでない!)

写真は鉄同士の接合。鉄同士でも、ステンレス同士でも、異種金属でも接合が可能です。溶接と違って接合によって歪みが起きないのが大きな特徴です。 接合する材料の片方に無電解ニッケルめっき、もう一方には電気めっきを施し、炉に入れれば溶接と同じように接合できます。大きな特長は溶接と違って歪みが出ないことと、量産する場合は大幅にコストが削減できることです。

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応用例




4.スプリングをめっきでパイプに

スプリング状の物にめっきを施して炉に入れると、スプリングが一体化してらせん状の溝を持つパイプを作ることができます。これを写真のように回転させることで物体を矢印方向へ送ることができます。

このように溶接の代わりにめっきを使うと様々なアイデアが生れてきます。今まで溶接では不可能と思われていた部品がめっきの技術で可能になります。

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※回転しているスプリングの色は撮影条件の違いによるものです。実際は上の写真と同じ色です。



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